国東半島一帯には六郷満山文化が広がっています。
六郷満山は大分県国東半島一帯にある寺院群の総称で、六郷は両子山を中心とした山稜の間に開かれた6つの郷、満山はそこに築かれた寺院群を指し、古くから六郷満山文化と呼ばれる独特の山岳宗教文化が栄えました。
国東半島に点在する数多くの六郷満山の寺は、養老2年(718年)に仁聞菩薩が開基したと伝えられています。
仁聞菩薩は、宇佐八幡神の化身(生まれ変わり)として宇佐・国東の地に、今をさかのぼること約1300年前に神仏習合の原点となる山岳宗教「六郷満山」を開かれました。
宇佐神宮
宇佐神宮は全国に4万社あまりある八幡様の総本宮です。
八幡大神(応神天皇)・比売大神・神功皇后をご祭神にお祀りし、神亀2年に創建されました。
写真正面から向かって左より、一之御殿 八幡大神(応神天皇)、二之御殿 比売大神、三之御殿神功皇后と並んでいます。
八幡造本殿の原型として、昭和27年11月に国宝に指定されました。
また宝物館に収蔵されている孔雀文磬も国宝に指定されています。
御祭神である八幡大神さまは応神天皇のご神霊で、571年(欽明天皇の時代)に初めて宇佐の地にご示顕になったといわれます。
応神天皇は大陸の文化と産業を輸入し、新しい国づくりをされた方です。
725年(神亀2年)、現在の地に御殿を造立し、八幡神をお祀りされました。
これが宇佐神宮の創建です。
宇佐神宮には、宇佐宮弥勒寺といわれる神宮寺がありました。現在もその跡は宇佐神宮の境内に残っています。この弥勒寺から国東半島の山々へ厳しい修行の場を求め数多くの寺や岩屋が開かれ、半島に点在しています。(六郷満山HPより)
大分県は宇佐市にある大元神社が鎮座する御許山へ行ってきました。 [adcode] 御許山(おもとさん) 宇佐市HPより 宇佐神宮から南6㎞余にそびえるこの山には、山頂に宇佐神宮の奥宮である大元神社が鎮座します。標高は647m。大[…]
真木大堂
真木大堂は六郷満山六十五ケ寺のうち本山本寺として三十六坊の霊場を有した幻の最大の寺院であった馬城山伝乗寺のことです。
奈良時代元正天皇の養老年間に聞菩薩の開基で悲陀の匠が建立したと伝えられていますが、仏像の作風からみて平安時代とも言われています。
往時は広大な境内のなかに七堂伽藍を備えて隆盛を誇った大寺院でした。
約七百年前に火災の為に焼失し、現存する九体の仏像は当時の人々の厚い信仰と守護のもとに難を免れて今日に至ります。
この九体の仏像には、全霊を捧げ尽くして作られた方々の魂がこもっています。
大正七年に国宝に指定され、昭和四年に仏像大修理、昭和二十五年八月二十九日に重要文化財に指定されました。
現在の真木大堂は、伝乗寺の各寺坊が衰退したので本尊をこの一堂に集めたものです。
令和天皇も皇太子時代にお越しになられた場所です。





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火山活動でできた円錐形の国東半島。その南部に広がる田染盆地では、千年以上も昔の古代の頃から開発がなされ、平安時代には宇佐神宮の荘園「田染荘」が誕生しました。
熊野磨崖仏






国宝臼杵石仏 〒875-0064 大分県臼杵市大字深田804-1 年中無休9:00 ~ 17:00(最終入館16:30) 臼杵石仏は、凝灰岩の岩壁に刻まれた磨崖仏群です。平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫られたと[…]
富貴寺
富貴寺は平安後期(794年から1185年)、仏教徒を極楽浄土へ導く仏である阿弥陀如来を祀るために建立されました。
上の写真の富貴寺大堂は国宝に指定されており、九州で現存する最古の木造建築物です。
富貴寺大堂は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三阿弥陀堂のひとつに数えられています。
富貴寺は恐ろしい形相で門に立つ2体の仁王像と2本の大きな木ー左が榧木、右が銀杏ーに守られています。
内部の仏像と同様に大堂自体が榧木で作られており、弧を描く屋根のデザインは、仏教における神聖な生き物である鳳凰を象徴しています。
富貴寺大堂とその中に収められている本尊の阿弥陀如来像は六郷満山寺院を開基したとされる仁聞菩薩の手によって造られた、と伝えられています。
元々内装は鮮やかな色で塗られており、細部まで書かれた絵が壁や柱の大部分を覆い、阿弥陀如来は輝く金箔に包まれていました。
礼拝者たちは壁高くに描かれた極楽浄土の仏に見守られながら、時計回りの方向に仏像の周りを回りました。
後年、禅や茶道の影響から、より控えめで洗練された美学が日本の美術や建築に取り入れられました。
富貴寺のように豪華に装飾された寺は、古くなり色褪せて、永遠性の風格を帯びていったのです。
他にも富貴寺大堂の周囲には僧侶が修行のときに使用したとされる、梵字が刻みつけられた仁聞石や鎌倉時代の笠塔婆、室町時代の国東塔等があり、かつての富貴寺の繁栄ぶりを偲ぶことができます。
大堂内部は板敷で、四天柱で内陣が区切られ、本尊である阿弥陀如来座像が安置されています。
現在は素木のままですが、もとは華麗な漆箔像でした。螺髪にそのあとが見られます。
この阿弥陀如来坐像は、大正七年に国宝に、昭和二十五年に重要文化財に指定されています。
本堂には阿弥陀三尊像が安置されています。
現在(令和4年5月)、本堂の改修工事の為、この阿弥陀三尊像のうちの観世音菩薩立像と勢至菩薩立像の2体が大堂へ安置されています。
約100年ぶりの阿弥陀三尊ご開帳が行われていました。
両子寺
護摩堂(本堂)
山岳修行の根本道場にして本尊不動尊をはじめ諸仏を祀っています。
奥の院本殿
建物は弘化3年(1846年)旧杵築藩主松平候の寄進によるものです。
千手観音、両所大権現(男・女二天童子)、宇佐八幡、仁聞菩薩を崇め祀り、不老長寿と子授け申子祈願の霊場として広く国内に知られています。
裏には洞窟があり、不老長寿の冷水が湧出しています。
大講堂
明治維新の廃仏毀釈の法難に焼失し、平成3年に再建されました。
720本の垂木を使用し、銅板葺、釈迦三尊、天台、傳教両大使も奉安されています。
仁王門
国東半島最大級の石像仁王、見事な均整美を保っています。
文化11年に再建されました。
本堂裏鬼橋にたたずむ2体は半島でも屈指の古さを保っています。
しぐれもみじ(両子山七不思議)
両子山七不思議というものがあり、そのうちのこの「しぐれもみじ」は、このもみじの下に立ち上を見上げると、晴天の日でもしずくが顔に落ちると言われているそうです。
両子三七不思議
①霊水走水観音
霊水常に一定湧出し不滅不増、冬温夏冷なり。
②無明橋
橋の下に観音をまつり、不信心者もこの橋を渡れば信仰心が湧き、牛馬が通れば落橋すると云う。
③鬼橋
昔千徳坊と云う大力僧が一枚の大石をひきおろしてかけたと云う。
④しぐれもみじ
このもみじの下に立ち上を見上げると、晴天の日でもしずくが顔に落ちると云う。
⑤針の耳
岩が折り重なり、その穴を通るのが恰も針に糸を通す如く難しい。
⑥鬼の背割
昔千徳坊が此の大岩を背で割って通路をあけたと云う。
⑦鹿のツメ割
大きな石に親子鹿のツメの跡あり。
他にも見どころがたくさんある両子寺です。
HIBINO(番外編)
こちらはこの日のランチで訪れた国産小麦と天然酵母のパン工房「HIBINO」。
http://hibinopan.com/


