大分県立歴史博物館

『六郷満山』国東半島史跡めぐりの際に訪れた富貴寺。

富貴寺は「平安時代の文化」を感じることができる、日本でも数少ないお堂です。

現在は、完成から1000年近い時間を経たため、壁画や阿弥陀如来の色が落ちていますが、その当時の様子を再現したものを「大分県立歴史博物館」で見ることができると聞き、早速行ってみました。

大分県立歴史博物館
〒872-0101 大分県宇佐市大字高森字京塚

区分 一般 高・大学生
個人 310円 160円
団体 210円 100円

中学生以下無料

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受付を済ませて中に入ると目の前には熊野磨崖仏の大日如来像のレプリカがありました。

ペコ
右側から見るとこんな感じなのだろうか。私が覚えている大日如来像とは口元の印象が少し違っていました。

富貴寺の世界

展示会場入ってすぐ目の前に広がる富貴寺の世界。

六郷山を代表する文化財、国宝富貴寺大堂の世界を、当時の様子を再現した実物大模型や壁画によって紹介しています。

800年の時を超えて蘇った華麗な浄土世界が広がっています。

大堂の壁画は、浄土教の主題によって描かれていますが、四天柱に見られるように密教の要素もまじっています。

仏後壁の極楽浄土の図をはじめ、各図は伝統的仏画の影響をうけながらも、平安貴族の日常に題材を取るなど、新しい独自の表現も見られます。

この壁画は少なくとも5,6人の絵仏師の共同製作になるものと考えられています。

この時、1時間に1回、富貴寺でプロジェクションマッピングも行われていました。

ペコ
ストーリー仕立てのプロジェクションマッピングを、正面ど真ん中の席を確保して堪能しました。これらの写真はほんのわずか。最高に綺麗でした。

 

生・死・いのり(紀元前約3万年~6世紀)

旧石器時代から古墳時代を中心に、おおいたの人々が暮らした様子を、生や死、祈りといった視点によって紹介しています。

博物館が立つ「宇佐風土記の丘」にある、6つの大きな古墳から発掘された鏡などを展示しています。

 

豊の古代仏教文化(7~8世紀)

豊前・豊後地域、なかでも宇佐に生まれた飛鳥・奈良時代の仏教文化について、古代寺院の痕跡を探りながら紹介しています。

塑造三尊仏(国重要文化財)をはじめ、いにしえの人々にとって、「異文化」であった仏教との交流が生み出した文化財を展示しています。

ペコ
これは「虚空蔵寺三重塔」を復元した模型です。

宇佐八幡の文化(8~19世紀)

国家神として位置づけられ、広く信仰を集めた八幡神。

主に、奈良時代から江戸時代までの八幡神と、それを祀る宇佐宮の歴史と文化を紹介しています。

宇佐神宮の本殿模型や国宝「孔雀文磬くじゃくもんけいの複製などを展示しています。

ペコ
国宝「孔雀文磬くじゃくもんけい」は宇佐神宮宝物館に展示されています。

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宇佐神宮が小椋山の現在地に鎮座したのは、神亀2年(725)のことといわれています。

宇佐神宮本殿は三つの社殿から成っていますが、もともとは向かって一番左、第一殿のみで徐々に整備され現在の姿になりました。

前後二棟で構成された本殿の建築様式を「八幡造」と呼んでいます。

現在の本殿(国宝)は、安政6年(1859)から文久元年(1861)にかけて建てられたものです。

この模型は、応永年間の大内氏による復興時に作成された、「宇佐宮古図」を立体的に表現したものです。

ここに表現されている建物は、平安時代末期の建物配置をもとに復興の姿をえがいたものとみられます。

社殿と仏堂が建ち並ぶ壮大な姿に、神仏習合の考えが具体的に示されています。

 

六郷山の文化(9~20世紀)

平安時代から現代にかけての六郷山寺院(国東半島にある天台宗寺院群)の歴史を紹介しています。

国東半島に伝わった仏像や伝統行事である修正鬼会しゅじょうおにえのお面などを展示しています。

 

広がる仏教文化(8~19世紀)

磨崖仏・石塔などの石造文化財を筆頭に、全国に誇るべきおおいたの、奈良時代から江戸時代にかけての仏教文化について紹介しています。

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大分県は、石造物の宝庫といわれています。

磨崖仏は、その数の多さ、規模の大きさからも国内随一を誇り、おおいたの地に天台宗の山岳仏教が発展した平安後期から鎌倉時代に造立の画期があります。

そして、民衆のさまざまな信仰を反映した石塔・石碑などは、仏教が多様化し裾野を広げた鎌倉時代以降の中世に集中し、この伝統は現代に生きています。

 

信仰とくらし(19~20世紀)

江戸時代から現代までの人々の「いのりとくらし」を紹介しています。

昔のくらしを体感できる後藤家住宅の実大模型とともに、先人たちが使った、様々な道具を展示しています。

 

まとめ

六郷満山史跡めぐりの締めくくりとしての大分県立歴史博物館は、とても興味深く、様々な記憶も蘇り、とても充実した楽しいものとなりました。絵本やお絵描きグッズなどを揃えたキッズスペースもあったので子連れでも気軽に楽しめる施設になっていますよ。

 

寄り道おまけグルメcafe&zakka「KURU」

国宝「孔雀文磬くじゃくもんけい」の本物を見ようと宇佐神宮宝物館を訪れた際にみつけたcafe&zakka「KURU」

cafe&zakka KURU
〒872-0102 大分県宇佐市南宇佐2211-1-3
℡:0978-37-1090
ペコ
テラス席もありましたが暑すぎたので店内へ。このアイスコーヒーフロートが香りも良く、とっても美味しかったです。おススメ。